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今日もアートスクール

京都アートスクールの4校(京都駅前七条校、京都 北大路駅前校、滋賀 彦根駅前校、NET通信実技センター)の日々を随時更新。
20 April

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04 December

紙の話

今日は暖かいですね。


先日、京都市立芸術大学を志望する方から電話で「入試で使われる画用紙は何ですか?」と質問がありました。受験生にとっては気になる事柄だと思います。残念ながら京都芸大は、入試で使用する画用紙について公表していません。 京都アートスクールで、京都芸大対策を含め広く使用している画用紙は、「四切 画用紙187kg」というもので、画箋堂という画材屋さんで取り扱っています。通信販売でも購入できます。187kgというのは紙の厚みを表す単位で、原紙1000枚分の重さが何㎏になるかを表します。

その他にも、様々な紙を使っています。基本的には各大学入試と同じ紙、または代替品や廉価版を準備しています。色彩で使う銀紙やコート紙といった特殊紙、トレーシングペーパーを含めると教室で扱う紙の種類は膨大になります。

そこで
七条校でよく使用する画用紙トップ10を、独断で順位付けしてみました。


No.⑩マットサンダース
金沢美術工芸大学工芸科一次対策に使用します。ややクリーム色の紙です。もの凄く丈夫な紙で、H系の鉛筆の先を多用する描写でも破れません。ガリガリに描いても大丈夫です。
No.⑨アルシュ
フランス製の高級水彩紙。金沢美術工芸大学日本画二次対策に使用します。表面がつるっとしたホットプレスを使っています。透かしが入っていたり紙の端にみみが残されていたり、四切1枚約500円強します。京都アートスクールで販売しているもので一番高い紙だと思います。
No.⑧MBM木炭紙
木炭紙の定番。厚口と特厚口があります。木炭描画用に大きくエンボス加工された紙です。広島市立油画、金沢油画、愛知油画、東京芸大油画など全国の多くの油画専門入試で課される木炭デッサンで使用します。MBMの透かしが入っており、Bのところが紙縦長中央です。
No.⑦ニューTMKポスター
多くの大学入試で使用されています。紙の表面がスムース、尚かつ丈夫なため、H系の鉛筆を用いるような描写に耐えます。「TMKで思い通りに描ければどんな紙でも描ける」と言われたのも今は昔。描き味はやはり独特です。一度お試しあれ。
No.⑥ヴィフアール紙
ヴィフアール紙は高品質・低価格なため、水彩用途で利用しています。滲みやぼかしなど綺麗に出ます。シリウス超厚口と似ていますが、こちらの方が若干クリームがかっています。裏面は鉛筆デッサンに向きません。
No.⑤サンフラワーM画
関東で画用紙と言えば、このM画を指すことが多いのではと思います。京都アートスクールでも、武蔵野美術大学や、東京造形大のデッサン対策用紙として多用します。表面は適度なエンボスが施されており、調子っぽい描写にも対応します。点を描いていくような単体細密描写にはやや不向きです。M画はMUSE製ですが、ホルベインR画用紙という、M画のエンボスを更に深くした水彩紙などもあります。
No.④BBケント
イギリス製のやや青みがかった高級紙です。多摩美術大学のデザイン系のデッサン対策に使います。理由は、画面がクレセントボード310に似てるためです。B3クレセントボード1枚500円くらいしますので、練習はBBケントで行う生徒が多いです。クレセントボード310の代替として、BBケント派と、キャンソンミタント裏面派、2つがあります。キャンソンミタントの方が若干販売価格が高いです。
No.③バロンケント
クリーム色がかったケント紙ですが、KMKと異なり積層型の紙です。積層型の紙のため2枚3枚へ割けます。京都アートスクールでは、“もみ紙”を用いる際にも使用します。厚みの種類も様々あり、薄いものから特厚のものまで立体課題で使用します。
No.②KMKケント
漂白された白さと、ツルツルの表面が特徴の紙です。金沢美術工芸大学日本画の一次は、KMKケント紙です。鉛筆の先を使う細密描写には適していますが、調子っぽい描写には不向きです。鉛筆の定着も、他の画用紙に比べ悪いです。描写用途だけでなく、京都アートスクールでは色彩用、立体用ともに使う場面が多い紙です。制作での使用率は、No.2間違いないと思います。
No.①四切 画用紙
販売数が多いのは間違いなくこの画用紙です。ですが、これといった名前がついていないので“四切画用紙”と呼んでます。関西主要芸大美大のデッサン対策に使います。表面裏面で表情が異なります。裏面は、細かな網目状のため鉛筆描写に適していないかもしれません。ツルツルしている面を表面として、日々の描写制作に用います。
紙表面のエンボスをおおざっぱに表すと…ケント紙<四切画用紙<M画 になります。



ちなみに、今夏参加した京都芸大の教員対象説明会で、大学の先生はこう言いました。
「京都芸大の試験はこの紙と決めているわけではない。来年かわる可能性もあるし変わらないかもしれない。ザラザラの紙、ツルツルの紙、薄い紙、いろんな紙で描いておいて欲しい」とのこと。つまり…どんな紙にも対応できるよう、日々様々な紙を用いて練習しておいてくださいということです。



田和

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