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今日もアートスクール

京都アートスクールの4校(京都駅前七条校、京都 北大路駅前校、滋賀 彦根駅前校、NET通信実技センター)の日々を随時更新。
23 November

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05 February

松江・出雲 彫刻講習会

こんばんは保田です。

1月28日~31日にかけて島根県に行ってきました。
出雲市にあるサンレイク出雲で開催された
島根県の高校美術部の実技合宿(彫刻講習会)に講師として呼んでもらいました。
保田は2011年に続いて2回目の参加です。
28日・29日は松江地区、30日・31日は出雲地区の彫刻講習会ということで、
島根県の3つの地区のうち、連続して開催された2つの地区講習会に参加しました。


前日夕刻、松江入りし、まずは島根県立美術館に行きました。



ここは3回目ですが、素晴らしい美術館です。
毎回企画展も面白いし、常設展はかなり充実しています。
しかし、なんといっても最高なのが宍道湖畔のロケーションと設計。
宍道湖畔に開かれた広々としたオープンスペースの屋外彫刻は
湖と空が背景となってすごく見栄えが良いのですが
(京都にある屋外彫刻の大半は背景がゴチャゴチャして見づらい)
夕暮時など、その「背景」の方がさらに魅力的だったりします。
今回も閉館前1時間の訪問でしたが、多くの人が日暮れを見ていました。


中:建畠 覚造、右:渡辺豊重 (ちなみに建畠 覚造氏は京芸学長建畠 晢先生のお父様です)

籔内佐斗司《宍道湖うさぎ》

しかし、もちろん美術館に来た目的は「彫刻講習会」の導入授業のための資料作成です。
「立体構成」とは何か?を説明するための資料として立体作品の撮影に来ているのです。
あくまで仕事、仕事で来てます。宍道湖観光ではありません。(言い訳のようですが...)
しかしこんな美しい夕日は前回ここに来た時以来じゃないかな。
思わず合掌してしまいました。





屋外の作品を一通り撮影した後、館内のブールデル、マイヨール、アルマンの作品を撮影。
全ての角度から魅力的に見えることを説明するため、それぞれ四方八方から撮影しました。
有料会場にあるロダンは撮影禁止なので無理でしたが...。
しかし、屋外の作品群はもちろん、館内のブールデル、マイヨールが常に無料で見れる
というのは素晴らしいですね。常設展示会場のロダンもたった300円ですし。
僕は特にブールデルが大好きなのですが、マイヨールも最高にいいですね。
それと、美術館全体の(ロケーションをふまえた)環境設計や空間構成も勉強になります。



さて、当日ですが、松江地区、出雲地区ともに約70人の生徒が参加。
前日撮影の美術館彫刻群の紹介も含め、1時間程度の導入の後、
まずは、グループ予備制作。(2時間半)

4、5人ずつのチームに分かれ、
三角柱スパイラルと四角柱スパイラル、三角錐を作成して、構成。
台板に接着する際、
3点、あるいは1点と1線(直線)、1線(曲線)、1面のみによる接着、が条件。
ここでは、三次元曲面を持つ立体の構成法、独立のりしろ、等指導し、
作図~カット~折込~接着などを体験してもらい、
複数のパーツによる構成の際の最終段階の重要性を認識してもらいました。


右作品:予備制作の優秀作例

予備制作の講評~本制作「イニシャルによる立体/空間構成」の導入。

本制作は6時間。
課題は、各自の名前のイニシャル文字(ローマ字)をケント紙で立体化(閉鎖立体)して構成。
初心者含む高1・2生に短時間で、創意工夫しながら完成できる課題ということで、
半年間悩んだすえ新たにつくった課題です。

美術部員といっても、大半の生徒さんは油絵など絵画制作を活動が中心な訳で、
立体ははじめてという生徒も多かったのですが、さすがに美術部員、みなさんすごく積極的でした。



僕も高校時代は美術部員でしたが、こんな地区合宿があったら楽しかっただろうなと思います。
島根県では夏は油絵の合宿、冬は彫刻(例年は石や木を削ったりする制作ことが多いとのこと)
と年2回も合宿があるようです。うらやましい。サンレイクもすごく居心地よい施設ですしね。
先生方は大変だと思いますが。





講評時はそれぞれ10点を優秀賞として選出しました。


◆松江地区の優秀作例から5点◆  

WKくん、HSくん、HAさん


HMさん、MRさん

松江地区はクオリティーの高い優秀作品が多かったです。
特にWKくん、HSくんの作品は秀逸ですね。
トップ賞は設けませんでしたが、今選ぶとしたら松江地区はHSくん作品ですね。
ほとんど大学合格レベルのクオリティーですね。

◆出雲地区の優秀作例から5点◆

SMさん、YSさん、NYさん


SKくん、OMさん

出雲地区はアイデアがあり積極的な優秀作品が多かったです。
特に、とげとげしい自分の性格を表現したSMさん、
自分の先祖が海賊であることテーマにしたSKくんの作品は印象的。
出雲トップ賞を選ぶとしたらSKくん作品ですね。ここまで作りこまれると納得するしかない。



全体としては
ケント紙立体初心者が大半だったので、加工精度など
もう一歩の作品が多かったのはもちろんですが、
それぞれに工夫のある作品で好感が持てました。



今回は、2回連続ということで4日間ぶっ通しの指導。かなり疲れもしましたが、
素直に立体構成を学び、楽しむ生徒さん達と過ごせて非常に楽しかったです。
参加者のみんなが、立体構成に対する興味を強めてくれたとしたらうれしいです。

先生方、本当にお世話になりました。
呼んでいただいてありがとうございました。
ぜひまた呼んで下さい。
特に、担当の中田先生、周藤先生ありがとうございました。お疲れ様でした。

京都アートスクール 副学長 保田 篤





1日目の夜には「芸大受験説明会」も行いました。



芸術系進学を考えていない生徒さんも熱心に合格再現作品を見てくれました。
(これ見ると「美大目指す生徒が増えるんじゃないか」と言ってくれた先生もおられました)
何名か、春期講習に来てくれるという生徒さんもいました。また会えることを楽しみにしてます。

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