07 October 作家研究からの色彩研究 サイトウです。 先週、北山校では、ST(高卒)クラスと、WSS(高3)クラスが色彩構成の授業で、 「作家研究」というアスク名物課題を行いました。 ※これは12年度の写真です。 美しい画面ってどうつくるのか。なにが「美しい」という価値を持つのか。 指導方針を決めて、それを伝え学んでもらうわけですが、 私もいつももっといい方法はないのか?と、 疑問に思いながらアンテナを張ってます。 で、この前の高卒クラスの作家研究で、いい作品に出会えました。キュピーン Nさんが候補としていたグスタフ・クリムトの作品。 「美しい色彩」に仕上げるひとつの方法として、◎「ベースカラー(一番面積を多く占める色)◎サブカラー(ベースに対応する次の色)◎アクセントカラー(指し色) を決めることをセオリーとして指導しています。 これだけが方法ではないと思いますが、ひとつの型として理解してほしい。 極端に言うと、最低3つの色相を決め、トーンを変えながら使うことで画面は作れるということ。 色相をしぼることで、トーン(調子)の幅を出していくことに意識が向き、 結果的に、さまざまな色の絵具を混色しながら 微妙な色をつくる技術が上がるということにもつながると思っています。 ただ、上のクリムトの『フリーデリケ・マリア・ベールの肖像』は、 「ベースカラーは黄色か…? いや緑…、いやほんのり青がすべてのベースにあるか…」と少し迷う。 色彩としては豊富で華やか。美しいなと感じます。 黄色の面積が多めなのは確かですが、この絵を見てると、 サブカラー(もしくはベースカラー)は、何色かあっても画面は成り立つと言えると思います。 これが、改めての「発見」でした。 感覚ではそういう画面をつくることもありますが、理屈として整理できたことが嬉しかったです。 みんな当たり前に気づいてた?? 直感的に知ってた? だとしたら、いまさら何を…ってかんじですが… サイトウの中ではやっと腑に落ちたっていう、キュピーンなできごとだったのです… ただこの絵は、下地全体に青みがほんのりかかってることも、絵がまとまる重要な要因だとも思います。 そう理解すると、ジャクソンポロックの画面がわちゃわちゃなのに、 色がいいなと思うのも納得がいきました。 2年前ぐらいから、「きれいやと思うし好きなのに、理由がわからん…」と自分の中で棚上げにしてました。 あとひとつ、なんで平面の中に「奥行きのある空間」をつくることが要求されるのか。 これもできた方がいいのは分かるけど、はっきり説明のつけられないことのひとつでした。 これは友達の一言で「あぁなるほどっ」と実感した覚えがあります。 友達と「奥行きのもたらす効果」について雑談してたら、 「なんかさぁ、ウィンドウズより、マックの画面の方が目が疲れなくない?」といわれまして、 キュピーン。 奥行きがある世界の方が、人間にとって見慣れてて「自然」なものなんだなと気づきました。 当たり前のことですが。 だから、あえて奥行きの少ない平面的な画面(赤一色とか)だと、 「不自然」「抵抗感」というものが生まれ、「強い印象が残る」ともいえます。 マックはアイコンとか、ボタンとかにちょっとした影があったり、 レイヤーが重なったりで「奥行き」の演出が心地よいと思います。 ウィンドウズはそういう意味ではやや抵抗感があるかなと思います。 違った見解の人も、「当たり前じゃん」という人もいるかなと思いますが。 キュピーンは自己満足ですが、楽しいですね。 またいろいろ気づいたものがある人は教えてください。 <サイトウ> [0回]PR 2013/10/07 (Mon) 15:27 アスクでのこと Comment(0)