09 December 鱗雲が出た次の日は 北大路の生徒らも、後期最終週の制作に励んでおります。この生徒らがあと何ヵ月後かに対峙する国公立入試。入試当日は間違いなく近づいて来ています。京都の空が一面鱗雲であることを確認し、着々と冬に近づいていることを確認しました。場所が違えば美大・芸大の有様、規模、入学審査の方法も異なります。欧米では、書類審査とポートフォリオ提出に加え、インタビュー形式の面接が多いと思います。いつからどのような審査体制になったのか疑問ですが、日本の実技試験を課す入試にも長い歴史を感じます。昨今、関西私大ではAO型入試が割合を多く占めていますが、一昔前までは美大芸大の入試で、持参作品に加えて面接があったと聞きました。団塊の世代位から美大芸大を志願する受験者が増え、一々面接して決めていられないくらいの人数になったということです。そこで一瞬で、直ぐにその実技力や素養が判断できる実地試験型の審査へ変わったのでしょう。加熱する受験戦争。余りにも倍率が高くなり、美大芸大の受験の都市伝説も生まれました。「階段の上から、デッサンを投げ、上を向いた作品を描いた受験者を一次合格とする。」「顔写真で美人のみ最終合格とする。」「鉛筆はUni系は避ける。Uni系の鉛筆の粒子が採点場の光と相性が悪く、作品が引き立たない。」馬鹿げたことだと思いますが、藁をも掴みたい受験生。万一投げられても画用紙が上を向く方法として、画面四隅を外側に微妙に折り曲げる似非力学をあみだし、願書に貼る証明写真は、普段よりも美人に、明るく笑顔が可愛らしく写るように駅前で何度も撮り直し、ステッドラーで統一したのだろう。ここまで来ると実技試験の意味すら見失ってしまっている。そんなご都合主義な受験生を増やしてはいけない。田和 [0回]PR 2015/12/09 (Wed) 19:07 アスクでのこと Comment(0)