29 January 明日から京芸模試 休憩中、鼻と口の間に鉛筆をはさんで、遠い目をしながらこれを書いています。遠い目をしている人間というのは、おおむね昔のことを思い出しているか、ただ眠いかであって、自分は前者、進路を決める遥か高校時代「美術系にしてみよっかなあ」と心によぎった当時のことを思い出していたところです。とにかく「根性」「汗」「筋肉」といった類のものが肌に合わず、そういう世界とはなるべく縁遠そうな美術系の進路を選んだつもりでした。そんなこんなで自分が講評するときには「気持ち」とか「気合」とか、そういうミステリアスな言葉はことさら敬遠しています。ところが先日の京芸色彩授業の折、全体講評が終わって個別講評の時間に、あるST生と話していると、その彼女がこんなことを言うのです。「もう最後は気合ですよね」常々嫌っていた言葉でしたが、なぜかハッとしました。色彩を例にとってみると、色は綺麗、構成も悪くない、筆の技術もある、でもなんだかいつもパッとしない。今の時期、こんな感じの生徒がたくさんいます。講師のしゃべることも、しっかり理解できている。でもパッとしない。もしや、実は本当にそうかもしれない。とハッとしました。本当に「気」の強さが最後はものを言うのかもしれないと思いました。隣の人より、ひと筆でも多く絵具を塗る。誰よりも表情豊かに描きこむ。絶対に形の歪みを許さない。鋭くきちっと運筆を終わらせる。早く動く。これは解禁せざるをえない、という考えに至った次第です。「根性」「気持ち」「気合」の解禁。今、鼻と口の間にはさんでいた鉛筆を手に持ち、紙にそう書き殴りました。これから三月末まで、「ナノイオン」「コラーゲン」「ギガバイト」と同等レベルで「根性」「気持ち」「気合」という言葉を積極的に使いたい所存です。国公立入試に挑もうという人たちも、あらためて心の鬼教官に竹刀を握らせてみてはどうでしょう。そういえば七条校の生徒には、格闘技の全国レベルの強者とか水泳選手とかバレーボール部、バドミントン部だったとか根性系の人がけっこういて、良い絵を描いています。林 [0回]PR 2017/01/29 (Sun) 13:21 アスクでのこと Comment(0)