31 December 力を引きだす 冬期京芸模試Weekが終了しました。こんばんはサカグチです。 講評会でも話しましたが、模試を受けていた60人の順位なんかじゃなくて、京芸を受験する600人の中で60人が上位に入ることを信じて指導しています。それはできることだと思っている。京都市立芸大は美術学部全体で135人合格します。そして美術科だけでも70人合格するのだから。 そこでもう一度、内制止(メンタル・ブロック)を取り払うことの大切さを忘れないための、499ポンドの話。 昔、重量挙げで、500ポンドの壁を誰も乗り越えられなかったときの話。 世界記録が499ポンドだったとき。 スタッフが間違えて500ポンド以上を準備してしまったことを知らずに、そのバーベルを持ち挙げた選手がきっかけとなって、世界中で6人もの選手が500ポンド以上を持ち挙げられるようになったらしい。 無理だと思っているうちは、見えない壁をつくってしまっている。まずはその壁をなくした状態で、チャレンジしていこう。 さて、模試の結果には色々な形がありましたが、中には、実力が出せなくてくやしい思いをした人もいましたね。 ぼくは、自分であっても他人であっても、努力しないときにいい思いをすることが大嫌いで、真面目に頑張ったのに、苦しい道を選択しているのに、自分に厳しかったのに損をするようなことが大嫌いだから、ぼくの近くに、なかなか実力が出せなくて、くやしい思いをしている人がいると、何よりもつらい。 実力が発揮できないときというのはたいてい、周囲を意識しすぎているように思う。たとえば、ぼくのまわりの実力が出しきれない人の多くは、ぼくたち講師の顔色をうかがいすぎているように感じる。 どうすれば先生に褒められるか、どうすれば先生に怒られないか、どうすれば先生に……。 まずはその人が自分の実力を信じ、楽しんで取り組むこと、アイデアを出し、こうしてみたいと思い、それに向かうこと、その結果、よい作品が完成することこそが、実は我々が一番嬉しいことなのに。 「先生、こうしたらダメですか?」 「先生、こうしてみていいですか?」 そんなふうに訊かれるたびに、あぶないなぁと思ってしまう。 「私はこういう作品をつくりたいから、先生、前に話してたあの話、もう一度教えて」 「オレはこういう作品をつくりたいんだけど、それって先生がくれたこの資料のこの部分と関連することなのかな?」 そういう質問ができる状態であって欲しい。 基本をおろそかにしちゃダメだと思う。基本を踏まえることって、退屈であったり、めんどくさかったり、つまんなかったりするけれど、そこをおろそかにしてほしくない。 そして、基本をおろそかにしていないのであれば、そこからもう一度、自分自身がワクワクするような姿勢で、取り組んで欲しい。見た人がワクワクするような作品になることを願いながらね。 さて、2011年もあと何時間。この一年、いろいろなニュースがありました。そのうちのひとつ、女子サッカー日本代表が、FIFA女子W杯で優勝しました。この結果は、かならず男子の日本代表にも影響すると思います。上にも書いたメンタルブロックの話とつながりますね。 (ちなみに、私が中学生の頃、男子はまだW杯に出場したことがなかったのです。前回W杯で日本はベスト16。今の子供たちは、それだけでメンタルブロックの大きさが全然違うから、これからまた楽しみです) なでしこジャパンの監督、佐々木則夫監督がどのようにチームをまとめたのか、どのように選手の能力を引きだしたのか、とても興味がある事柄のひとつです。 佐々木監督と言えば、おやじギャグを言うことで有名なのですが、監督のユーモアであったり、監督自身がリラックスする姿勢であったりは、絶対にチームの力に結びついているのだと思います。きっとあのチームの選手たちは、あまり監督に怒られることを気にせずにいられる。 おやじギャグだけを見習ってしまえばそれは似て非なるものになってしまいますが、2012年の私個人の目標のひとつに、そういった周囲の能力を引きだすための立ち振る舞いということを考えています。 ユーモアといえば、ゴウカクリスマスでの、あの3人組のコント、素敵だったなぁ。 そして、プレゼント交換をこんなふうにしたいとアイデアを出して、実行してくれたsioさんもありがとう。 まさに、自分たちがどうしたいのかを伝えてくれるああいう瞬間が、嬉しいんですよ、私は。 自分がやりたい形のゴウカクリスマスを一方的に伝えるんじゃなくて、一緒につくっていくということ。それを望んでいる。それは、前にも書いたけど、制作に関しても同じね。 サカグチ [0回]PR 2011/12/31 (Sat) 20:39 日常の出来事 Trackback() Comment(2)