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今日もアートスクール

京都アートスクールの4校(京都駅前七条校、京都 北大路駅前校、滋賀 彦根駅前校、NET通信実技センター)の日々を随時更新。
22 November

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05 March

アスク美術倶楽部で京芸制作展観にいった!!

こんばんは。少し前の話になりますが、2月17日(日)美術倶楽部で京芸制作展に行きました。
やや長いですが、興味のある方は読んで下さい。ない方は写真のみ飛ばし観して下さい。



今回は、参加者5人のみでした。

新年~年度末までのこの時期、多くのメンバーは仕事が極度に忙しいようで、通常授業の参加も少ない傾向があるのですが、ややさびしかったです。(一方で、昨年、名古屋に引っ越された部員が、新幹線で来てくれたというサプライズもありました)

実は美術倶楽部員にはプロの方も多く(デザイナー、ゲーム関係など)、そういった方からすれば「学生の作品なんか」ということもあったかもしれませんが、いやいや、けっこう面白かったです。

客観的評価はなかなか難しいのですが、保田の感想では、(ここ数年の)京芸の作品展のレベルは(保田が在籍していた)約20年前より、かなり上っていると思う。京芸が他の美大に対して、相対的に上ったという訳でもないと思うのですが、たぶん、世の中の水準が変ったせいではないか、と思っています。つまり、日本がより「先進国」となり文化的な洗練の度を高めた、ということではないか、それが、京芸の制作展にも影響しているのではないか、と思っています。僕らのころは、もっと泥臭くて、洗練されてなくて、少しどんくさい感じがあったと思います。ただ、泥臭い方がいいのだ、など、別の意見もあるのでしょうけど…。





前置き長すぎましたね。

美術倶楽部部員には、油彩を描いていたり、今後描こうという人が多いので、油彩の部屋をまずは見て回りました。保田の出身コースでもある訳です。また、アスクの受験コースのOBが非常に多いコースでもありますね。とか、言いながら展示室に入るなり、OBのTさん作品があった。


Tさんらしいゴージャス感のある作品ですね。ちなみに、美術倶楽部でもよく使っている北山校の小教室には彼女の着彩作品がいまだに展示されています。



部員の作品はやはり具象作品が基本なのですが、京芸の油画ではリアリズムに徹したような作品はほとんどないので、直参考になる作品は少なかったのですが、
それでも、部分的には写実表現の入った作品もいろいろあった訳ですが、離れて見るとしっかり見える画面が、近づくと案外あっさり塗られてたり、えらいラフなタッチだったり、また、油彩の表現といってもいろいろであることなど、わかったのではないでしょうか。
美術倶楽部では、一応、基本をサラッとわかってもらった上で(実際は、そこまでにかなり時間かかるのだが…)、その後、自由な制作ができるようになればいいな、と感じております。


背景の絵に溶け込む2人の部員。
うしろの魂のようなものが気になる。



左写真の中央作品:東京のオタク系の世界ですごく売れているという噂のI君作品。

しかし、美術倶楽部でも、終了時の掃除の時お世話になっている非常勤の高木先生の作品がないなあ、と思ったら、学内展の方だったようです。しかも市長賞受賞してた。やっぱりな、という感じ





アスク非常勤の森先生とばったり会う。森先生は日本画の3回生なのですが、大学での制作とは別に絵本をつくってMOE絵本グランプリ家作賞をもらったところなのですが、最近、絵本の制作を始めた美術部員にお勧め公募展の情報を提供してくれた。
友達の輪、というか、制作の輪が広がるのはいいことです。




さて、次は、いよいよ今回のメインのギャラリートーク。

市長賞の受賞者が京芸現学長の建畠晢先生にインタビューを受ける形で自作を語るという形式でした。
ワールドワイドに活躍されるキュレーターかつ、批評家、さらに詩人でもある建畠先生に作品を見てもらうというだけですごく緊張する場面なのですが、今回は表彰された人に「おめでとう」と祝福するのが基調の企画なのだから、鋭い突っ込みなどは封印されておりました。その意味では、やや面白みに欠けるものではありましたが、話の苦手な芸大生も多い中、一般の方に作品のポイントが理解されやすいよう、うまく話を引き出されておりました。観客もけっこう多かったです。



自分もそのタイプなのでわかりますが、特にアート系の生徒は、自作を語れと言われても、今ひとつ要領を得ないような曖昧な会話に終始しがちなのですが、そんな中、えらいしゃべりのしっかりした奴が一人だけいました。それが、アスクOBの池上君でした。
大学HPに実名が出ているので、実名表記とさせてもらいます)




池上君は、神戸からわざわざ京都北山まで毎日通ってくれた生徒なのですが(今では、七条でも浪人できるので、神戸からでもぜんぜん近いです!)、当時からデッサン力はすごかったですね。(しかし保田が指導を担当していた色彩はすごく苦手で、苦労してた。どうしても色味が薄くなるという弱点があった)

「模写の技術を極めた後、自分のオリジナル作品が描きたくならないのか?」「いいえ、自分としては、元作品をモチーフとした、自分の作品を創っているつもりで模写を行っています」など、技術だけじゃなく、考えがしっかりしており、語りも明快で、美術部員もビックリしていました。「絵って、話すのも大事なんですね」という感想を語る部員もいました。しゃべる技術ということではなく、しっかり話しができるぐらい、しっかり考えている、ということが大切なんだと思います。







あと、アスクOBでは、プロダクトデザインの水主君、これはデザイン科だから当然かもしれませんが、やはり、ちゃんとしてましたね。美術部員の感想の中でも作品自体評価高かったです。




高木先生も美術館展示だったら話が聞けたのに、少し残念。



最後の構想設計の2人は強烈でした。
はだしで京都中を歩いた記録を元に作品をつくった人。ギャラリートークも当然「はだし」。
掃除のおばちゃん、となって、市内各地での清掃活動(と見せかけ、ホースの水で立ちジョンしてまわる)の記録映像を提出したアート・アクティビスト。

2時開始のトークでしたが、終了は4時を過ぎていた。かなりの情報量でした。
今の芸大生が何を考えているのか、一端を知ることができた気がします。
しかし、疲れた。
まったくお年を感じさせない建畠先生でしたが、最後はややお疲れ気味のようでした。


ちなみに、建畠先生は、長く国立国際美術館の学芸員をされ、その後、多摩美大(芸術学科)に移られたのですが、その前年、1年だけ京芸で講師をされたことがあり、その貴重な1年に、ちょうど5回生をしており、卒業に足りない一般科目を受講する必要に迫られていた保田は、運良く先生の授業を受けることが出来ました。美術界に深く関わっておられた方なので、話が超リアルで、しかも詩人特有の話の鋭さがもの凄かった。あんなスリリングな講義というのは後にも先にも受けたことがありません。って言うと他の先生方に悪いのですが、ホントに刺激的なものでした。(ところが、「現代芸術論」というその授業を他に受講している生徒は、1~2回生ばかり、その面白さがわからない様子で、もったいないなと思ったものです。後になって気づいたのかもしれませんが…。)

ところで最近、建畠先生のインタビュー記事をネットで見つけましたので、紹介します。
興味のある方はぜひ読んで下さい。やっぱり凄い人だったんだなと改めて思いました。
http://www.oralarthistory.org/archives/tatehata_akira/interview_01.php

法人化といういろいろ厳しい状況の中、いい人が学長に来てくれてほんとに京芸は良かったと思う。
このチャンスを生かして、ますますいい大学になってくれたらいいなと祈っております。
(アスクの受験生のみんなも受かっているように、とも祈っています)



作品だけじゃなく、アスクOB本人にもたくさん出会いました。
いかにも「彫刻科」になっていたM君。と同時に、あいかわらずでした。



さて、2時間にも及んだギャラリートークの後、さらに30分間美術館をまわり、その後、京都芸術センターに移動、「Project ’Mirrors’」を見学しました。これは写真撮影禁止だったので、報告できませんが、これはこれで、面白かったです。やはり学生の作品よりもさらにクオリティは高かったです。

同時開催していた版画展(ここは撮影OK)を見た後、館内の前田コーヒーで晩御飯を食べて帰りました。みんな、疲れきってくたくたでした。やっとエネルギー源にありつけた、という感じ。やはり欲張りすぎの企画だったかもしれませんね6時間ノンストップで作品観続けるというのは…。今後は、もう少し内容量を適正にします。この企画はちょっときつすぎました。でも、すごく勉強にはなったと思います。






保田
(先週、京都造形芸大の卒展も観にいきました。学内展です。
 こちらも面白かったので、また機会があればレポートしたいです。)



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