03 April 『イメージ』の重要性 大阪成蹊大学芸術学部 岩野先生ワークショップ こんばんは、保田です ↓本日は4月2日(火)七条校で行われた、大阪成蹊大学芸術学部 岩野勝人先生によるワークショップの報告をします。岩野先生は保田の大学時代の2つ上の先輩で、大学時代にもいろいろお世話になり、(保田は油画科、岩野さんは彫刻科だったのですが、芸術大学ではそのへんは混ぜこぜです)現在も、大阪成蹊大学芸術学部の先生として、アスクの様々なイベントに参加してもらったり、とやっぱりお世話になっている、という方です。今回は、七条校でワークショップを行ってもらいました。石膏で手をつくるのですが、塑像や彫塑して造るのではなく、コピックという海草から抽出された液体と石膏を使って「手そのものを石膏どりする」というものでした。え、それってただコピーするだけで、何かをクリエイトする訳じゃないし、クリエイティブな行為ではないのでは…? と思うでしょ。それが違うんですね。コビック、石膏、水、道具(割り箸、つまようじ)… 準備が大切。まずは、どんな手をつくるか、イメージを練ってもらう。(スケッチたくさんします)次は作業。コビック(粉)と水をかき混ぜ、容器に手を入れてしばらく固定します。この時、手は浮かしたままなので、けっこう辛いです。そして、この待ち時間の間にも、残された手で中の手をイメージしてスケッチします。これもけっこう辛いし、見えないものを想像して=イメージして描くのは難しい。コビックが固まったら、そうっと手を抜いて、そこに、水に溶いた石膏を流し込みます。この時、石膏を指先までしっかり流し込めるのか?が課題です。先ほどのスケッチの時に、しっかり手の形がイメージできていたのかが問われてきます。手の形がしっかりイメージ出来てないと、指の先までの石膏の流し込みができないんですね。石膏が指先の穴まで届いてないと、もちろん指の先の欠けた手になってしまう。あのスケッチにはそんな目的があったんですね。後は作業です。作業ももちろん大切です。そして、完成した作品をさらにデッサンしました。さて、ワークショップの中では、素材を使った具体的な作業、道具の制作、手のポーズをしながらのスケッチ、見えない手をイメージしてのスケッチ、容器の中で固まりつつある「手」をイメージしてのスケッチ、完成作品を観てのデッサンなど、様々なことを体験しましたが、メインテーマは「イメージする」ことの重要性、ということでした。ところで、芸術大学にはいろんな学科やコースがあって、必ずしも絵を描くばかりじゃないのに、入試では必ずといっていいほどデッサンが出題される。観たものを正確に描く、ということがそんなに大切なのか?という疑問を持つ人がいてもおかしくないと思うのですが。今回のワークショップの中でわかったことは、・物をつくる前に、頭の中で「イメージする」という行為は、ものつくりに不可欠な行為・そしてそれは紙と鉛筆をつかってスケッチすることで、やりやすくなる ということだと思います。だからこそのデッサンなんだと思います。デッサン力を鍛えて何でもすっと描けるようになっておかないと…。その点では、彫刻も、油絵も工芸もデザインもまったく共通です。だから、どこの芸術大学でも、彫刻科も油絵科も版画科も漆科も染織科もビジュアルデザイン科も環境デザイン科も…(以下略)、入試ではデッサンを描くし、大学では入り乱れて遊んだり、交流したりするんですね。そういう訳で、大学時代は岩野先輩にお世話になる機会もあったという訳か…。なるほど。実は、前回ブログで紹介した成安造形のイラスト領域のMON先生も同じようなことをおっしゃっていました。「受験の時のデッサンやクロッキーと大学の制作を別のことと思ってしまっている生徒がいる。例えばキャラクターが自転車に乗っている時の脚の形、歩いている時の脚の形、がすっと描けるようになるためにこそ、デッサンやクロッキーが必要なのに、絵が上手くなることが自己目的化してる生徒がいる。それは間違いだ、ということです。その点は、保田もアスクでデッサン指導をする中で、常々誤解のないよう伝えたいと思っていたことではありますが、十分伝えられていなかった点かもしれません。まあ、受験時代ぐらいは、目的がわからなくなるぐらいデッサンに夢中になるのも悪くないとは思うのですが、デッサン自体は目的ではないんですね。(リアリズムの画家を目指す人は別ですよ)目的ではないけど、とにかく大切なことでもあります。岩野先生ありがとうございました。保田ちなみに、岩野先生は、昨年からアスク彦根校の教室長としてがんばってくれている松野先生の恩師でもあります!「松野をよろしくお願いします」と言って帰られました。アスクは生徒だけではなく、先生が成長する場なんです。僕もがんばらないと、と思いました。 [0回]PR 2013/04/03 (Wed) 23:17 アスクでのこと Comment(3)
01 April プロジェクション・マッピング こんにちは、京都駅前七条校から田和です。4月1日(月)、京都嵯峨芸術大学から江村耕市先生と大学広報の方にお越しいただき、授業をしていただきました。授業は、メディアデザインとは何ぞや?を知り、プロジェクション・マッピングというものを制作する内容でした。デザインや映像に興味がある生徒にとっても、知らない言葉が次々と出てきます。"メディアとは?""コンテンツとは?""メディアデザインとは?""メディアアートとは?""プロジェクション?""マッピング?"それぞれの概要、社会的な意味について、先生が丁寧にご説明されました。その後、百聞は一見ししかず、、、。さっそくプロジェクション・マッピング作品を収めたDVDを、3F新教室設置の大型スクリーンで鑑賞。江村先生主導のプロジェクト<emuralabo>が制作した、京都国際マンガミュージアムにおけるプロジェクションマッピングも続けて鑑賞しました。鑑賞のあと、今日の実制作についての説明があり、なるほど、生徒の関心も高まってきたようです。今回の対象はコレ。3F新教室にあるロッカーと幾何形体です。ここに生徒たちの作品をマッピングしていくのです。江村先生が投影画像をチョチョイと調整すると、あら不思議。普段見慣れたロッカーがあっという間にマッピングの舞台に早がわり。いよいよ生徒が実作です。マッピング映像の素になる絵やイメージを、コラージュやイラストで準備しました。短時間ながら、なかなかいい素材が出揃いました!いよいよマッピング編集に取り掛かります。江村先生に、生徒が制作したイラストやコラージュを映像にしてもらいます。見入る生徒たち。(AfterEffectsによるクリップ編集についての説明中)マッピングは、対照となる立体物・建物に映像やCGを投影して、普段見慣れたイメージを視覚的に異化します。その時、記憶や認識、時間といった感覚が瞬時に揺さぶられるのが醍醐味です。生徒達も、見慣れたロッカーの見え方の違いが新鮮だったようです。興味を持ち始めるきっかけって、人それぞれあると思います。それが、ほんの一瞬の驚きや感動であったりすることも稀ではないはず。その瞬間を、わくわくを、今回参加した生徒たちは大切に忘れないでほしい。江村先生、この度は出張授業をしていただき有難うございました。未来を担う若いクリエイターである生徒達に、ひらめきを与える贅沢な授業をしてくださいました。(ご存知、保田せんせ。授業満足度102%のN君画、保田先生も幾何形態に見事にマッピングされてました。)田和 [0回] 2013/04/01 (Mon) 23:18 アスクでのこと Comment(0)
01 April オリエンテーションのご案内 こんばんは。事務局 兼 学科講師のナカニシです。みなさん、今日は何か嘘をついたのでしょうか?私は毎年いい嘘が思いつかなくてあきらめてしまいます。嘘をつくって難しい。けっこうセンスがいりますよね~さて、今日の北山の様子です。みんな真剣に課題に取り組んでいました!春期講習も残るはあと4日となりました。その後は入学オリエンテーションが待っています。各自お知らせは届いているかと思いますが、ここでも詳細をお知らせします。各校で開催日時が違うので間違えないようにして下さいね。【北山通学生】■日程:2013年4月7(日)■時間:10:00~12:00■場所:北山校入学オリエンテーションの後はお弁当を持ってお花見に行きます。アスク職員が手作りのお弁当を準備します。お楽しみに♪♪お花見は13:00~15:30を予定しています。【七条通学生】■日程:2013年4月6日(土)■時間:14:00~16:00■場所:七条校入学オリエンテーションの後は、親睦会として軽食をご用意しています♪親睦会は16:00~17:00を予定しています。【彦根通学生】■日程:2013年4/6(土)■時間:10:00~12:00■場所:彦根校入学オリエンテーションの後はお弁当を持ってお花見に行きます。アスク職員が手作りのお弁当を準備します。お楽しみに♪♪お花見は13:00~15:30を予定しています。私も入学オリエンテーションやお花見に参加するのは初めてなのでかなり楽しみです・・・!あと1週間桜が持ちますように。中西 [0回] 2013/04/01 (Mon) 17:51 アスクでのこと Comment(2)
31 March 京都造形芸術大学 情報デザイン授業 中山和也先生 彦根編 こんにちは、ブログ初参加の片岡です。今回は3月28日(木)に行われた京都造形芸術大学 情報デザインの中山和也先生による授業の様子をお伝えします。先ずは中山先生御自身の作品を今回のテーマである『観察』にからめて紹介していただきました。今回の課題は『彦根城で見つけたあの人は誰?』です。彦根城に向かいます。当日は朝から雨が降っていましたが、お昼にはあがってくれました。なんだか楽しそうです!今回の課題は実際に彦根城に行き、先ずは『あの人』を探します。(勝手にターゲットを決めます)人がいません…観察します。スケッチもします。観察し得た情報から人物を創造します。ここで情報を考察分析し発展させるのですが、発想が飛躍しすぎると単なる妄想になってしまうので注意が必要です。発表します。みんなで考えます。参加してくれた皆様お疲れ様でした。そして京都から来てくださった京都造形芸術大学 中山和也先生、入学課の木原孝晃様ありがとうございました。 [0回] 2013/03/31 (Sun) 21:28 アスクでのこと Comment(0)
30 March 成安造形大学 イラストMON先生ワークショップ こんにちは 保田です。本日は北山校から、春期授業の報告です。3月28日(水)成安造形大学から、イラストレーション領域准教授のMON先生と入試課の橋詰さんに来ていただきました。今回の課題は、実際に成安造形大学のイラスト授業の中で行われている授業を少しだけ簡略化された内容で、9種類の職業のキャラクターを描きわける、というものでした。(魚屋さん、漁師、高校の古文の先生、塾通いの奨学生、東大生…など)さて、まずは、プロジェクタを使った導入なのですが…大学の紹介~先生のイラストの紹介~そして課題説明という流れなのですが、先生の仕事の話がそのまま課題説明に重なっていました。例えば、○○という雑誌で連載されたシリーズ広告のキャラクター設定が、どんな依頼からスタートして、どのようなアイデアからラフスケッチを起こしたのか、その時注意したことは何か、最初のチェックでどんな修正依頼が来たのか?等々、クライアント(依頼者)や編集者とのやり取りのリアルな話が聞け、そこでちゃんと話を聞いていれば、制作のヒントがたくさんある、という形でした。さすがプロということなのでしょうか、イラストの仕事といっても、様々な先から思いもよらないぐらいのバリエーションの仕事を請けておられ、それぞれの仕事ごとの苦労話は非常に興味深かったです。それらの中で、一つだけ紹介しておくと…NYのビル屋上の貯水タンクを紹介するイラストと、それを描くための資料や、クライアントとのやりとり、スケッチなど、一つのイラストが出来上がるまでの苦労が少しだけわかりました。(NYの貯水槽が今でもほとんどが木製で、19世紀依頼、ずっとアイルランド人の樽職人が同じ技法で作り続けている(それには合理性がある)という話も興味深かったです。)そういった実際の経験から、次代のイラストレーターを目指す若者達への生きたアドバイスが生まれるということなんですね。真っ暗い教室の中でも、眠くなることなく、みんな集中して話を聞いていました。先生の実物のスケッチを見せながらの導入があり、制作が始まりました。今回参加してくれた受講者は、実技の初心者が多かったのですが、イラストやマンガ系の志望者ということで、それぞれ自分なりにキャラクターやイラストを描いてきた生徒が多く、短時間の中でよく描けていた… と保田は思っていましたが、先生は甘くはなかった(笑)。頭身の比率設定の狂いなど、優しくではあるが、指摘は厳しかったです。しかし、それにへこたれることなく、生徒達は授業終了後も質問したり、持参作品の批評を求めたり、だいぶん先生を足止めしてしまうことになった…。 MON先生ありがとうございました。最後に、たくさん持ってきてもらった成安造形大学イラスト領域の現役生徒やOBの作品を見る時間もあったのですが…写真の真ん中のマンガ作品は、約10年ほど前にアスクから成安に進学した高橋君の卒制作品。彼は、07年の卒業後、マンガ家としてデビューを果たし、現在は東京で活動しているとのこと。高橋君は、七条教室(現七条校)が出来た当時、福知山から毎週通ってくれていた、やや気弱な少年で、よく憶えてるのですが、しかし、びっくりしました。まさかもう既にプロになっていたとは。(だったら連絡してこいよ!) …みんなも、続いてほしいものです。保田ところで…成安イラスト領域からは、イラストレーターはもちろん、マンガ家もたくさんデビューしているとのことでしたが、その鍵となっているのは、やはり画力(MON先生曰く)とのことでした。とにかく画力を徹底して鍛えるとのこと。その点はアスクとまったく同じ考え方だなと思いました。みんな春期講習もがんばろう。 [0回] 2013/03/30 (Sat) 18:58 アスクでのこと Comment(3)