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今日もアートスクール

京都アートスクールの4校(京都駅前七条校、京都 北大路駅前校、滋賀 彦根駅前校、NET通信実技センター)の日々を随時更新。
07 May

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03 April

『イメージ』の重要性 大阪成蹊大学芸術学部 岩野先生ワークショップ

こんばんは、保田です ↓


本日は4月2日(火)七条校で行われた、
大阪成蹊大学芸術学部 岩野勝人先生
によるワークショップの報告をします。



岩野先生は保田の大学時代の2つ上の先輩で、
大学時代にもいろいろお世話になり、
(保田は油画科、岩野さんは彫刻科だったのですが、芸術大学ではそのへんは混ぜこぜです)
現在も、大阪成蹊大学芸術学部の先生として、
アスクの様々なイベントに参加してもらったり、と
やっぱりお世話になっている、という方です。

今回は、七条校でワークショップを行ってもらいました。

石膏で手をつくるのですが、塑像や彫塑して造るのではなく、
コピックという海草から抽出された液体と石膏を使って「手そのものを石膏どりする」というものでした。

え、それってただコピーするだけで、何かをクリエイトする訳じゃないし、
クリエイティブな行為ではないのでは…? と思うでしょ。
それが違うんですね。





コビック、石膏、水、道具(割り箸、つまようじ)… 準備が大切。



まずは、どんな手をつくるか、イメージを練ってもらう。(スケッチたくさんします)
次は作業。コビック(粉)と水をかき混ぜ、容器に手を入れてしばらく固定します。
この時、手は浮かしたままなので、けっこう辛いです。
そして、この待ち時間の間にも、残された手で中の手をイメージしてスケッチします。
これもけっこう辛いし、見えないものを想像して=イメージして描くのは難しい。



コビックが固まったら、そうっと手を抜いて、そこに、水に溶いた石膏を流し込みます。
この時、石膏を指先までしっかり流し込めるのか?が課題です。
先ほどのスケッチの時に、しっかり手の形がイメージできていたのかが問われてきます。
手の形がしっかりイメージ出来てないと、指の先までの石膏の流し込みができないんですね。
石膏が指先の穴まで届いてないと、もちろん指の先の欠けた手になってしまう。

あのスケッチにはそんな目的があったんですね。

後は作業です。作業ももちろん大切です。


そして、完成した作品をさらにデッサンしました。


さて、ワークショップの中では、素材を使った具体的な作業、道具の制作、手のポーズをしながらのスケッチ、見えない手をイメージしてのスケッチ、容器の中で固まりつつある「手」をイメージしてのスケッチ、完成作品を観てのデッサンなど、様々なことを体験しましたが、メインテーマは「イメージする」ことの重要性、ということでした。

ところで、芸術大学にはいろんな学科やコースがあって、必ずしも絵を描くばかりじゃないのに、入試では必ずといっていいほどデッサンが出題される。観たものを正確に描く、ということがそんなに大切なのか?という疑問を持つ人がいてもおかしくないと思うのですが。

今回のワークショップの中でわかったことは、
・物をつくる前に、頭の中で「イメージする」という行為は、ものつくりに不可欠な行為
・そしてそれは紙と鉛筆をつかってスケッチすることで、やりやすくなる
 ということだと思います。
だからこそのデッサンなんだと思います。
デッサン力を鍛えて何でもすっと描けるようになっておかないと…。


その点では、彫刻も、油絵も工芸もデザインもまったく共通です。
だから、どこの芸術大学でも、彫刻科も油絵科も版画科も漆科も染織科もビジュアルデザイン科も環境デザイン科も…(以下略)、入試ではデッサンを描くし、大学では入り乱れて遊んだり、交流したりするんですね。そういう訳で、大学時代は岩野先輩にお世話になる機会もあったという訳か…。なるほど。

実は、前回ブログで紹介した成安造形のイラスト領域のMON先生も同じようなことをおっしゃっていました。
「受験の時のデッサンやクロッキーと大学の制作を別のことと思ってしまっている生徒がいる。例えばキャラクターが自転車に乗っている時の脚の形、歩いている時の脚の形、がすっと描けるようになるためにこそ、デッサンやクロッキーが必要なのに、絵が上手くなることが自己目的化してる生徒がいる。それは間違いだ、ということです。

その点は、保田もアスクでデッサン指導をする中で、常々誤解のないよう伝えたいと思っていたことではありますが、十分伝えられていなかった点かもしれません。まあ、受験時代ぐらいは、目的がわからなくなるぐらいデッサンに夢中になるのも悪くないとは思うのですが、デッサン自体は目的ではないんですね。(リアリズムの画家を目指す人は別ですよ)目的ではないけど、とにかく大切なことでもあります。

岩野先生ありがとうございました。


保田

ちなみに、岩野先生は、
昨年からアスク彦根校の教室長としてがんばってくれている松野先生の恩師でもあります!
「松野をよろしくお願いします」と言って帰られました。
アスクは生徒だけではなく、先生が成長する場なんです。
僕もがんばらないと、と思いました。



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